守れ。人々の希望のため――
SHAOLIN/新少林寺/2011年/香港・中国/ジャッキー・チェン・エンペラー・ムービーズ/2011年11月19日カルチュア・パブリッシャーズ配給
監督:ベニー・チャン アクション監督:コリー・ユン 製作:アルバート・リー/ベニー・チャン 脚本:チャコール・タン/チェン・カーチョン 撮影:アンソニー・プン 音楽:ニコラ・エレラ/アンソニー・チュウ 美術:イー・チュンマン アクション指導:リー・チュンチー
キャスト:アンディ・ラウ/ニコラス・ツェー/ジャッキー・チェン/ファン・ビンビン/ウー・ジン/ユエ・ハイ/ユィ・シャオチュン/ション・シンシン/シー・イェンレン/
本当にいい映画
映画「1911」でも描かれた辛亥革命で清王朝が倒れた翌年、権力争いの絶えない混沌とした1912年の中国。1人の独裁的な将軍の過ち、それを悟りへと導く者、すべてを受け入れる少林寺の僧侶、そしてすべてを手に入れようとする腹心。単なるアクション映画に終わらず、素晴らしいストーリー展開、アンディ・ラウら俳優陣の演技力から、登場人物の心がこちらに伝わってきます。私は上映中に何度も涙しました。アクション映画でこんなにも泣けるものかと、自分でもびっくりです。
ジャッキーは特別出演ながら、将軍侯杰を悟りへと導くキーマンで、いつもニコニコ優しい笑顔で人々に接する悟道は、「1911」よりもジャッキーらしくて安心して見ていられます。武術は出来ないといいながらも、中華鍋を巧みに使ったアクションもジャッキーらしくて良いです。
侯杰を演じる主役はアンディ・ラウ。ジャッキーとは実に「酔拳2」以来の共演。アクションに辛い私なので、他の共演者に比べると...ですが、演技力は素晴らしい。アンディ・ラウの演技力もここまでになっていたかと思わせる素晴らしい演技。妻、額夕役のファン・ビンビンとの絡みも迫真の演技です。しかしファン・ビンビンもきれいですね~。ちなみに娘、勝男役の嶋田瑠那ちゃんは、日中ハーフの日本人で、あまり日本では知られていませんが、中国ではかなり人気の子役さんだとか。
そしてひときわ異彩を放つ裏切りの腹心、曹蛮、ニコラス・ツェー。映画「PROMISE」でも存在感ある悪役でしたが、こういう男前はこういう悪役が良く似合います。そして悪役でも、やっぱりかっこいい。男前は何をやっても男前だから嫌になっちゃいますねぇ(笑)
元祖「少林寺」世代としては、方丈役のユエ・ハイさんの俳優復帰が嬉しかったです。蟷螂拳は使いませんでしたが。「少林寺」と「新少林寺」の不思議な繋がりを感じます。
「少林寺」といえば、ジェット・リーにもこの「新少林寺」への出演オファーがあったらしいのですが、スケジュールの都合で叶わなかったとか。もしジェット・リーの出演が実現していたらどんな役だったのかと思うと興味深いです。
ジェット・リーといえば、何度も中国の武術大会で優勝経験のある本物。そのジェット・リーと同じ師に付き、ジェット・リーを兄弟子に持つのが、淨能を演じるウー・ジン。太極拳の名手である彼は、この映画の出演をきっかけに、少林拳を学ぶべく少林寺に出家したらしいです。
他にも、「カンフーハッスル」の人足シー・イェンレンやジェット・リーのワンチャイシリーズの鬼脚七でおなじみのション・シンシンは、香港映画ファンとしては「お!」って感じで嬉しい出演です。
古き良きカンフー映画を、その当時からの出演者やおなじみの役者さんを交えて、全く新しい映画に作り上げた、完成度の高い作品だと思います。
こんなにも素晴らしい映画の監督は...というと納得。監督のベニー・チャンは、ジャッキー作品でいうと「WHO AM I ?」や「香港国際警察/NEW POLICE STORY」「プロジェクトBB」など、どれも素晴らしいアクションやストーリー展開を見せてくれる、いわば、はずさない監督さん。
本当に、こんなにも素晴らしアクション映画を観たのは久しぶりな気がします。131分という長さを感じさせない内容、最後には少林寺の僧侶の心を受け、こちらの心が洗われるようです。涙なくしては見れないこの作品、きっと、もう一度、映画館へ足を運びます。そして、これからも何度も観るでしょう。
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